~ビジネスマンのためのデータ分析入門~ 第3回:データを活用するということ
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第3回:データを活用するということ
さて、前回まではデータについて解説をしてきました。
それでは、その「データを活用すること」とはどのようなものなのでしょうか。より具体的なデータ活用方法について考えていきましょう。
それを理解するための一番効率的な方法は、データ活用している事例を見てみることでしょう。このWebサイトも含め、多くのサイトでデータの活用例は参照できるはずです。
ビジネスにおけるデータ活用のみならず、それ以外の分野でもデータ活用の結果や過程を垣間見ることが可能です。
例えば、身近なところで言えば、毎日皆さんが日々チェックする天気予報。天気予報は、過去や現在の降水量、気温、風向き、風量、湿度などさまざまな気象に関するデータから将来の天気を「予測」しています。これはまさにデータ分析の塊ともいうべきものです。過去と現在の情報、データから将来を予測する、簡単なようで非常に難しいデータ分析を行っているのです。
その他の例にも、身近なデータ分析といえば、スポーツ界でもデータ分析が活用されています。すでに数年前の映画となりますが、ブラット・ピッド主演の映画にもなった、米国メジャーリーグ、オークランド・アスレチックスによるデータを活用した野球「セイバーメトリックス」を紹介しましょう。
オーナーの死去により貧乏弱小球団に転落したオークランド・アスレチックス。そこに、新たにゼネラル・マネージャーに就任したビリー・ビーン氏は、チームをいかに常勝集団に変えていくのかについて、考えあぐねていました。常勝集団になるためには、当然ながら良い選手が必要です。勝つためには良い選手を補充する必要がある、しかし、資金力に乏しい球団では限界があります。上位チームは、資金を持って良い選手を大量に補給し、さらに強くなっていく。資金力のない当球団に差をつけていくばかりでした。
どうすれば上位チームを打ち破ることができるのか?
野球というスポーツは、9回つまり27個のアウトが取られ試合が終了した時点で、相手よりも「1点」以上、多く点数をとっていることが必要です。
ビリー・ビーンは、この最も野球における根源ともいうべき部分までさかのぼった上で、選手のデータを徹底的に分析してみることにしました。スカウトや過去の試合からのデータを収集し、分析をすすめるうちに、あることに気がつきました。
点を多くとるためには、何が必要なのだろうか?ビリー・ビーンは、データを分析した結果、出塁率、コントロール率の高い選手が得点を上げることに寄与していることを判明したのです。当時の”良い選手“といえば、ホームランなどの長打率の高いバッター、そして球速が早いピッチャーでした。一般的な”良い選手“とは違う、自分のチームにとっての”良い選手”をデータ分析により見つけ出した同チームは、その後常勝集団と成長していくのでした。
このように身近なところにも、データが活用されているのです。
それでは、肝心のビジネスにおけるデータ活用についての活用例を見ていきましょう。
ビジネスにおけるデータ分析の活用例
金融機関
- 住宅ローンや融資の際に本当に貸して良いのかを審査
- マネーロンダリングなどの不正金融の発見
- 自動車の損害保険や生命保険保において不正請求がないかを把握
運輸業
- 物流・サプライチェーンの最適化
- 走行経路の最適化による燃料消費の効率化
- 交通量・渋滞の予測による物流最適化
医療・ヘルスケア業
- インフルエンザなどの流行病の早期予測
- 患者満足度の向上の調査と医療の質の向上
- 新薬の発見や臨床実験データの分析
通信業
- ネットワークデータをリアルタイムモニタリングし、障害のパターンを発見
- 解約しそうな顧客のパターンを発見
電力・ガス・水道などの公共インフラ
- 安定供給のためのモニタリングと最適化
- 予防保守を行う優先順位の決定と効率的なメンテナンスの実行
IT(情報通信業)
- 不正アクセスのパターンや障害のパターン分析
- システムログからトレンド予測やシステム安定稼働の条件を予測
流通・小売業
- 優良顧客の行動分析と最適なオファリングの実施
- One to Oneマーケティングの実践
- 地図情報との連動による商圏分析
製造業
- 工場内のマシンデータを活用した歩留り改善
- マーケティング・リサーチやソーシャル・ビッグデータを活用した顧客ニーズに合わせた商品開発
- 製販在計画のための需要予測
- 製品管理分野における自社ブランドのポジショニング分析
- 原価管理における価格弾力性の分析
行政
- 住民満足要因の観測と施策への展開
- 渋滞などの交通システムの把握と解消のためのパターンの発見
各業種の代表的なデータの活用例を紹介いたしました。みなさんの興味のある活用例はありましたか?
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さて、次回はより具体的な事例をご紹介していきます。
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