知っておきたいSPSSの小技~第1回:ツールバーを使いこなそう~

みなさん、こんにちは。スマート・アナリティクスの代表の畠です。
本コラムではSPSSを日常的に使う研究者・大学院生・分析担当者の皆さんに、知っているだけで生産性が跳ね上がる機能をご紹介していきます。
SPSS製品は、IBM社が開発・販売している統計解析・データ分析の代表的なソフトウェアとして全世界で利用されています。大学をはじめとする研究者や企業のユーザーまで幅広くユーザーが存在し、非常に多岐にわたる活用方法がなされています。1968年に誕生したSPSSは、その代表ソフトであるSPSS Staisticsのバージョンもすでに31を超えました。長年開発がさらて改良されている製品ですが、機能も豊富にあり一見わかりくい部分も多く存在ます。当コラムでは、多岐にわたる機能を有するSPSSの知っておきたいSPSSの便利な機能を毎回紹介していきます。
第1回:SPSSのツールバーを使いこなそう
第1回目の今回は、「SPSSのツールバーを使いこなす」です。SPSSのツールバーといわれてピンときますか?さて、今回の注目ポイント、ツールバーは、よく利用される機能をアイコン化したものになります。メニューの下にあるアイコン群がツールバーです。

データを開く、データの保存、印刷などの基本的なものから、「最近使ったダイアログのリコール」などの便利機能もあります。
以下にそれぞれのアイコンの機能を紹介していきましょう。結構便利な機能ですのでぜひこれらを利用してみてくださいね。
- ファイルを開く
- データの保存
- 印刷
- 最近利用したダイアログのリコール
- 元に戻す
- やり直す
- ケースへ移動
- 変数へ移動
- 変数 : 尺度や値/ラベル/欠損値などを把握
- 記述統計の実行:記述統計量を算出
- 検索
- ファイルの分割
- ケースの選択
- 値ラベル
- 変数グループの使用
- ツールバーのカスタマイズ
- 検索(グローバル検索)
なぜツールバーは重要なのか?
SPSSの操作は以外と同じような手法や設定を繰り返し使うことが多いですよね?そのため、いかに効率的に分析を実行できるのかが結構重要です。ちりも積もればなんとやで最終的には大きく時間に差が出てくるでしょう。
特に大学院生の調査分析や、看護・臨床系研究者、POSや顧客分析を扱う企業担当者など反復作業が多い人ほど恩恵は大きいです。
「最近使ったダイアログのリコール」を利用しよう

特に便利なのが④の「最近使ったダイアログのリコール」ボタンです。

SPSSを利用して分析をする際、同じような設定のまま変数を変更して再度分析を行いたい

分散分析において多重比較を追加して実施したいなど直前や少し前の設定に戻りたい
そのような時に便利なのが、「最近使ったダイアログのリコール」アイコンです。
こちらは直近の12操作を表示してくれます。選択すればその設定のダイアログに戻ることが可能です。
記述統計などの基礎分析もツールバーで実行
また、記述統計もツールバーから実行可能です。変数を選択して、記述統計の実行アイコンをクリックするとすぐさま、記述統計量を算出してくれます。
また、変数の尺度や値の中身を確認したいということであれば変数のアイコンが便利です。各変数の変数名、ラベル、尺度、値を確認することが可能です。


値が設定されているデータの確認には、14:値ラベル機能で確認することも可能です。このように様々な便利機能がアイコン化されているのが「ツールバー」です。
なお、このツールバーはカスタマイズが可能です。ご自身のよく利用される手法を設定するのも良いでしょう。このようにSPSSのツールバーは効率的に分析を実行するのに便利な機能です。ぜひこれらの機能を利用して分析の効率化を図ってみてください。


