「IBM SPSS Statistics 27」リリース!検定力分析や効果量などに対応の新バージョン
SPSS Statistics 27 :進化を続ける伝統的な統計解析ソフトウェア
昨年4月10日から14ヶ月。統計解析のスタンダードソフトウェア「IBM SPSS Statistics」の最新バージョン「IBM SPSS Statistics 27」がリリースされました。
1968年の誕生から52年目、バージョンも27となった最新のSPSS Statisticsでは、基本パッケージのBase Systemに従来オプションモジュールであったデータ準備・評価モジュール「SPSS Data Preparation」とブートストラップ法を実行する「SPSS Bootstrapping」が統合されました。また、新機能として「検定力分析(Power Analysis)」機能が追加。また効果量も設定のダイアログで効果量を表示可能になりました。これにより昨今の効果量が求められる学術シーンなどに対応できるようになりました。また従来拡張機能として登録されていた「コーヘンの重み付けカッパ(カッパ係数)」が可能に。
さらには、グローバル検索の改善やデータ保存の自動化、新しいバブルチャート、APAフォーマットのサポートや出力のepsファイル出力など多くの機能が改善されています。
加えてAmosも最新バージョン27にバージョンアップ。Stanへのベイズモデルのエクスポートをサポートしています。
今回のバージョンアップは、派手さはないものの、今までにあったら良いなと思っていた機能が搭載されているイチオシのバージョンといえます。これからSPSSにふれる方も、既にお使いの方も、伝統の、そして最新の統計解析パッケージ「SPSS Statistics 27」をぜひ利用してみてください。
最新バージョン「SPSS Statistics 27」の概要
新機能
- 2つのモジュールを統合した新しいSPSS Base(Data PreparationとBootstrappingが統合)
新機能:分析機能
- 検定力分析(Power Analysis)/コーヘンの重み付けカッパ
拡張機能:
- 効果量の出力/四分位分析/MATRIXシンタックスコマンド
最新バージョン「SPSS Statistics 27」の注目の新機能や拡張機能
Baseシステムに2オプションが統合!
基本ソフトウェアの「IBM SPSS Statistics Base」にブートストラップ用の「SPSS Bootstrapping」とデータ準備、評価用のモジュール「SPSS Data Preparation」の2つのモジュールが統合されました。
新機能1:検定力分析(Power Analysis)
「サンプルサイズはどれくらい必要でしょうか?」アンケート調査の際には常に頭を悩ませることですね。SPSS Statistics 27では、検定力分析が可能になりました。これにより適切なサンプルサイズを算出することが可能になりました。
新機能2:コーヘンの重み付けカッパ
従来拡張機能として登録されていた「コーヘンの重み付けカッパ(カッパ係数)」が可能になりました。
機能拡張:効果量の出力が可能に
従来から一部では効果量が出力可能でしたが、新バージョンからダイアログにチェックを入れることにより効果量の出力が可能になりました。
その他の機能拡張&新機能
- 四分位回帰分析の機能拡張
- グローバル検索機能が改善
- 自動リカバリ機能の追加。突然のシャットダウンにもデータの損失が最小に。
- 新しいバブルチャート
- APAフォーマットへのサポート
- 高解像度画像の出力としてepsファイルへの書き出しが可能
- ユーザーインターフェイスのテーマが新しく
- 最新のPython 3.8.2に対応
- AmosのモデルをStanへエクスポート可能