因子分析とは|SPSSでできること
因子分析は、多数の観測変数の背後にある共通の構造(潜在因子)を抽出し、データを要約・解釈するための統計手法です。
このページでは、因子分析で分かることと、SPSSで実施する際に選ぶべき製品(オプション)を明確にします。
因子分析とは
因子分析は、複数の変数間の相関関係をもとに、それらを説明する少数の因子を推定する分析手法です。 質問紙調査や心理尺度、満足度調査などで、項目数を減らしつつ概念構造を把握したい場合に用いられます。
この分析で分かること
- 多数の変数を少数の因子に要約できる
- 質問項目や指標の背後にある構造を把握できる
- 尺度構成や指標設計の妥当性を検討できる
- 後続の分析(回帰・SEM等)に使う因子得点を作成できる
因子分析の主な種類
| 手法 | 主な用途 |
|---|---|
| 探索的因子分析(EFA) | 因子構造が未知の場合の探索 |
| 主因子法 | 共通因子に着目した因子抽出 |
| 最尤法 | 統計的検定やSEMへの接続 |
研究・ビジネスでの利用シーン
- 心理尺度・満足度尺度の構成検討
- アンケート項目の削減・整理
- ブランド・イメージ構造の把握
- 因子得点を用いた回帰分析・SEM
SPSSで因子分析を行う場合の製品選定
因子分析は、IBM SPSS Statisticsの標準機能で実施できます。 探索的因子分析に必要な抽出法・回転法・因子得点の算出は、Base に含まれています。
| 目的 | 推奨製品 |
|---|---|
| 探索的因子分析 | IBM SPSS Statistics Base |
| 確認的因子分析 | IBM SPSS Amos |
| 因子構造の検証(CFA) | IBM SPSS Amos |
分析時の注意点
- サンプルサイズが十分であること
- 因子数の決定は理論と統計の両面から判断する
- 回転方法(直交・斜交)の選択に注意する
因子分析の次に検討すべき分析手法
- 回帰分析:因子得点を用いた影響分析
- 共分散構造分析(SEM):因子構造の検証(CFA)
- クラスター分析:因子得点による分類
因子分析と主成分分析は何が違いますか?
主成分分析は「情報の要約・次元削減」を目的とするのに対し、因子分析は「背後にある潜在構造(因子)を解釈する」ことを目的とします。
尺度構成や理論的概念の検討には、因子分析が適しています。
サンプルサイズはどれくらい必要ですか?
一般的には「1変数あたり5〜10ケース以上」が目安とされます。
ただし、因子負荷量の大きさや因子構造の明確さによって必要サンプル数は変わるため、理論的妥当性と合わせて判断することが重要です。
因子数はどのように決めればよいですか?
固有値(1以上)、スクリープロット、累積寄与率などの統計的基準に加え、理論的な解釈可能性を踏まえて総合的に判断します。
「統計的に最適」よりも「解釈できる」因子数を重視することが重要です。
回転方法(直交回転・斜交回転)はどう選びますか?
因子同士が独立していると仮定する場合は直交回転、相関があると考えられる場合は斜交回転を用います。心理・社会科学分野では、斜交回転が選ばれることが多くあります。
因子分析は SPSS Statistics Base だけで実施できますか?
はい、探索的因子分析(EFA)はIBM SPSS Statistics Base の標準機能で実施できます。確認的因子分析(CFA)を行う場合は、SPSS Amos が必要です。
