SPSSの使い方 ~IBM SPSS Statistics超入門~ 第3回:データには種類がある - 尺度の話 -

Web連載:SPSSの使い方

第3回:データには種類がある - 尺度の話 -

さて、前回まででSPSSにデータを読み込むことができましたね。
SPSSでは、CSVファイルやエクセルデータ、データベースに格納されているデータを読み込むことが可能です。まだデータを読み込んでいない方は、「第2回:データを読み込んでみよう」の回を参照してください。

さて、今回は、データを読み込んだ後の変数の定義を行っていきます。この部分は一見、地味な作業ですが、SPSSを操作する上では非常に重要な部分となりますのでしっかりと習得するようにしましょう。

変数ビューを使った下準備

データが正常にインポートできたら、すぐに分析に取り掛かりたいところですが、もう少し準備に時間をかけましょう。
SPSSには「データビュー」と「変数ビュー」という2つのビューがあります。画面下側のタブにて設定を行います。
早速、「変数ビュー」をクリックしてみましょう。

変数ビュー

変数ビューでは、各変数(今回のデータで言えば、idや性別、年齢など)の内容を定義します。
この変数ビューでは、列(縦)に各変数(項目)が並びます。行(横)に各変数の細かい設定ができるような画面になっています。
各設定については、次回に詳細を解説するとして、今回は重要な尺度というデータの種類についての解説をしていきます。

データには種類がある?データの尺度について

データと一口に言ってもさまざまな種類があります。その中でも統計解析を行う際には、大きく分けて2つの種類のデータが存在します。質的変数と量的変数です。変数というのは、例えば、アンケートの項目(性別や年齢など)のことを指します。その上で、さらにデータをどのように取り扱っているのかによって尺度が異なります。

なぜデータの種類を覚える必要があるのかというと、この後に出てくる分析手法がデータの種類ごとに異なるからです。手元にあるデータがどのような尺度のデータなのか、質的変数なのか量的な変数なのかを考えてみましょう。

尺度
  • 質的変数とは分類や順序を示す変数を意味します。
  • 量的変数とは数値の間隔や大きさに意味がある変数を意味します。

この2つの変数それぞれにさらに分類があります。質的変数には名義尺度と順序尺度、量的変数には間隔尺度と比率尺度があります。

  • 名義尺度とは、0:男性、1:女性といったように分類を示すデータで、数値の大小に意味はありません。
  • 順序尺度とは、1:不満足、2:やや不満、3:どちらともいえない、4:やや満足、5:満足といったように分類を示すデータで、数値の大小関係が意味を持つものです。しかしながら、その数値の間の間隔については、意味を持たないものを言います。

このようにデータと一口に言っても様々な種類のデータがあるのです。

このように同じデータといっても、それぞれのデータ(情報+数値)の性格によって計算方法を変える必要があるのです。そのためにも、それぞれのデータがどのような尺度に基づくものなのかを確認することは非常に重要なのです。

今回は、尺度の解説を進めてきました。
SPSSでは、変数ビューで尺度の部分の設定は、後の分析に大きく影響を及ぼします。
しっかりと考え方を身に着けておきましょう。

今回ご紹介ソフトウェア

SPSS Statistics のイメージ

IBM SPSS Statistics

全世界で28万人以上が利用する統計解析のスタンダードソフトウェアです。1968年に誕生し、50年以上にわたり全世界の統計処理をサポート。データ分析の初心者からプロまでデータの読み込みからデータ加工、分析、出力までをカバーする統合ソフトウェアです。

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