SPSS Statistics Base の機能

IBM SPSS
Bootstrapping

分布の形を仮定しにくいデータで、推定の確かさを確かめる

手元のデータから復元抽出を何千回もくり返し、統計量のばらつきを実際に作って信頼区間を求めます。相関・回帰・平均の比較など、いつもの分析のダイアログから指定できます。

  • BCa 信頼区間
  • パーセンタイル法
  • 層別ブートストラップ
  • 回帰・相関に対応

Base に含まれる機能最終更新 2026.09.28

IBM SPSS Statistics
出力ログ相関 ブートストラップの指定 相関係数記述統計 記述統計量相関相関係数(ブートストラップ 2,000 回)推定値偏り標準誤差BCa 下限BCa 上限Pearson の相関.412-.008.148.090.661有意確率(両側).019N32読み方n = 32 でも、2,000 回の復元抽出から信頼区間を作れる。区間 .090–.661 は 0 を含まない。数値は説明用の架空データ
相関係数と BCa 法の95%信頼区間。偏りと標準誤差も同じ表に出力されます。

要約

SPSS Bootstrapping とは、復元抽出をくり返すブートストラップ法で、統計量の信頼区間と標準誤差を求める機能です。SPSS Statistics Base に含まれています。

  • 使う場面:少人数の研究、偏った分布のデータ、公式の標準誤差が使いにくい統計量
  • 主な機能:BCa・パーセンタイル信頼区間、層別ブートストラップ、回帰・相関・記述統計への適用
  • 入手方法:SPSS Statistics Base に含まれています(追加の購入は不要)

使いどころ:Bootstrapping が役立つ場面

ご自身の研究・業務に照らして、次の3問を確かめてください。

Q1

対象者が少なく、分布の形に確信が持てませんか?

例:n = 20〜50 の臨床研究、偏った分布の費用データ

はいブートストラップ法で、分布を仮定しない信頼区間を求めます。

Q2

中央値や比率など、公式の標準誤差が使いにくい統計量を報告しますか?

例:中央値の差、相関係数、回帰係数の比

はい復元抽出から、その統計量の標準誤差と信頼区間を直接求めます。

Q3

査読者から「推定の頑健性」を確かめるよう求められていますか?

例:外れ値を含むデータ、正規性に疑問がある回帰

はい通常の結果とブートストラップの結果を並べて報告できます。

Bootstrapping は SPSS Statistics Base に含まれているので、Base をお持ちならこれらの分析ですぐに使えます。

分析の流れ:少人数の研究で相関の確かさを示した例

対象者32名の研究を例に、ブートストラップ法で信頼区間を求める流れを示します。数値は説明用の架空データです。

  1. データを入力する患者32名について、運動習慣の得点と QOL の得点を1行1名で入力します。QOL の得点は右に偏った分布です。
  2. ダイアログで指定する「分析 → 相関 → 2変量」を開き、[ブートストラップ]でブートストラップの実行、サンプル数 2,000、信頼区間 BCa を指定します。
  3. 出力を読む相関係数 .412 に対して、BCa 法の95%信頼区間は .090–.661、標準誤差は .148 です。
  4. 結論を書く「相関は正で、区間は 0 を含まない。ただし区間の幅は広く、効果の大きさは中程度と考えられる」と、推定の幅を含めて報告します。
IBM SPSS Statistics
出力ログ相関 ブートストラップの指定 相関係数記述統計 記述統計量相関ブートストラップの指定設定サンプリング方法単純サンプル数2000信頼区間のレベル95.0%信頼区間の種類BCa(偏り修正加速法)乱数のシード2026928読み方シードを固定すると、同じ結果を再現できる。論文の方法の節に、この表の設定をそのまま書ける。数値は説明用の架空データ
ブートストラップの設定も出力に残るので、方法の記述と再現に使えます。

Base の基本機能と Bootstrapping の機能

いつもの分析の結果に、Bootstrapping の信頼区間を加える形で使います。どちらも Base の中で完結します。

やりたいこと使う手法収録先
平均の差を検定するt検定Base
相関係数を求めるPearson・Spearman の相関Base
平均の差や相関の信頼区間を、分布を仮定せずに求めるブートストラップ信頼区間Bootstrapping
回帰係数の標準誤差を復元抽出で求める回帰のブートストラップBootstrapping
中央値やパーセンタイルの信頼区間を求める記述統計のブートストラップBootstrapping
群ごとに分けて復元抽出する層別ブートストラップBootstrapping

搭載している主な手法

ノンパラメトリック・ブートストラップ

Simple / Stratified

手元のデータから復元抽出をくり返して、統計量の分布を作ります。群ごとに抽出する層別の指定もできます。

信頼区間の構築

Percentile・BCa

パーセンタイル法と、偏りと歪みを補正する BCa 法を選べます。

回帰・相関への適用

Regression・Correlations

線形回帰、ロジスティック回帰、相関などのダイアログに[ブートストラップ]ボタンが加わります。

記述統計・平均の比較への適用

Descriptives・T Test

平均・中央値・標準偏差、t検定の平均差にも、ブートストラップの信頼区間を付けられます。

組み合わせの例

追加モジュールの分析にも、Base のブートストラップの信頼区間を加えられます。

少人数の臨床研究なら

Base+Exact Tests

正確なp値と、分布を仮定しない信頼区間の両方を報告できる組み合わせです。

ロジスティック回帰の頑健性も確かめるなら

Base+Regression

オッズ比の信頼区間をブートストラップでも求め、通常の結果と並べて示せます。

Base・関連製品との関係

製品・モジュール主な役割Bootstrapping との関係
SPSS Statistics Base記述統計、t検定、相関、線形回帰Bootstrapping は Base に含まれています。Base の分析に信頼区間を加えます。
SPSS Exact Tests正確確率検定少人数のデータで、p値を正確に求めるモジュールです。目的が違うので併用できます。
SPSS Regressionロジスティック回帰など回帰係数の信頼区間をブートストラップで求める場合に組み合わせます。

検討の進め方

よくあるご質問

Bootstrapping は別に購入する必要がありますか?
SPSS Statistics Base に含まれているので、Base をお持ちなら追加の購入は必要ありません。
ブートストラップは何回くり返せばよいですか?
信頼区間を報告する場合は、1,000〜2,000回以上がよく使われます。BCa 法を使う場合や区間の端を安定させたい場合は、回数を増やします。回数と乱数のシードは出力に残るので、方法の節にそのまま書けます。
ノンパラメトリック検定とはどう違いますか?
ノンパラメトリック検定は、順位を使って仮説を検定する方法です。ブートストラップは、復元抽出で統計量の分布を作り、信頼区間や標準誤差を求める方法です。目的が違うので、併用することもあります。
どの分析で使えますか?
記述統計、t検定、相関、線形回帰、ロジスティック回帰、一般線型モデルなど、主な分析のダイアログで指定できます。
アカデミック版とビジネス版で機能は違いますか?
使える分析機能は同じです。違いは価格区分と利用条件です。大学・研究機関の方にはアカデミック価格をご案内します。
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