分析手法 完全ガイド
統計分析手法一覧目的・データ別の選び方と使い分け
平均を比べたい、変数同士の関係を調べたい、結果を予測したい。分析の目的、データの種類、グループの数から、使う手法を探せます。各ガイドでは考え方、前提条件、結果の読み方、SPSSでの進め方まで解説しています。
目的とデータの種類から手法を選ぶ
| やりたいこと | データ・条件 | 候補の手法 |
|---|---|---|
| 分布の形や代表値をつかむ | 1つの変数 | 度数分布表/中央値/標準偏差と分散/データ可視化 |
| 単位の違う値を同じ物差しにそろえる | 平均や単位が異なる変数 | 標準化(Zスコア) |
| 2群の平均を比べる | 対応なし・連続値 | t検定/U検定 |
| 3群以上の平均を比べる | 対応なし・連続値 | 一元配置分散分析/多重比較/クラスカル・ウォリス検定 |
| 同じ対象をくり返し測って比べる | 対応あり・3時点以上 | 反復測定分散分析 |
| 2つの要因の効果と交互作用を見る | 要因が2つ | 二元配置分散分析 |
| 2つの量的変数の関係を見る | 連続値×連続値 | 相関分析 |
| カテゴリ同士の関係を見る | クロス集計表 | カイ二乗検定 |
| 数値の結果を予測・説明する | 目的変数が連続値 | 回帰分析/重回帰分析 |
| あり・なしを予測する | 目的変数が二値 | ロジスティック回帰/ROC分析 |
| 多数の項目を少数にまとめる | 変数の次元を減らす | 主成分分析/因子分析/信頼性分析 |
| 似た対象をグループに分ける | 正解ラベルなし | クラスター分析 |
| 大量のデータや自由記述から傾向を探す | 行動・購買データ、文章 | データマイニング/テキストマイニング |
| 必要な人数と差の大きさを見積もる | 研究計画・結果の報告 | サンプルサイズ/効果量 |
表は手法を探す入口の目安です。実際に手法を決めるときは、対応の有無、分布の形や外れ値、研究デザインもあわせて確認します。検定の考え方は仮説検定とは?、正規性による使い分けはパラメトリック検定とノンパラメトリック検定で解説しています。
差を比べる検定の使い分け
| 比べる対象 | 正規分布を仮定できる | 分布の仮定が難しい・順序データ |
|---|---|---|
| 2群・対応なし | t検定(Welchのt検定) | マン・ホイットニーのU検定 |
| 2群・対応あり | 対応のあるt検定 | ウィルコクソンの符号付き順位検定 |
| 3群以上・対応なし | 一元配置分散分析 | クラスカル・ウォリス検定 |
| 3群以上・対応あり | 反復測定分散分析 | フリードマン検定 |
目的別のガイド一覧
データを要約・可視化する7本
度数分布表とは?データの分布の形を確かめる、いちばん基本の表。階級の決め方まで。 中央値とは?データを並べたときの真ん中の値。平均との違いと、偶数個のときの求め方まで。 標準偏差と分散とは?ばらつきを表す2つの指標。違いと求め方、n−1で割る理由。 標準化(Zスコア)とは?単位の違う値を平均0・標準偏差1にそろえる方法。偏差値との関係まで。 正規分布とは?統計でいちばん登場する分布。68-95-99.7ルールと標準化。 データ可視化とは?目的に合うグラフの選び方。ヒストグラム・箱ひげ図・散布図の使い分けまで。 記述統計と推測統計の違いとは?手元のデータの要約から、母集団の推測へ。標準誤差・信頼区間の入口。
2群・3群以上を比較する9本
仮説検定とは?有意差・p値・帰無仮説など、検定の考え方そのものを整理する基礎ガイド。 t検定とは?2つのグループの平均値に差があるかを調べる検定。Welchのt検定と効果量まで。 マン・ホイットニーのU検定とは?正規分布を前提としない、ノンパラメトリックな2群比較。 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定正規性・順位で検定を使い分ける判断基準。t検定⇄U検定などの対応表つき。 分散分析(ANOVA)とは?3群以上の平均差を一度に調べる検定。F値と多重比較まで。 多重比較とは?どのペアに差があるか。Bonferroni・Tukey HSDの使い分けまで。 クラスカル・ウォリス検定とは?正規性を仮定せず3群以上を比べるノンパラメトリック検定。Dunn法まで。 二元配置分散分析とは?2つの要因の主効果と交互作用。交互作用プロットの見方まで。 反復測定分散分析とは?同じ対象を3時点以上測ったデータの差。球面性の補正まで。
変数の関係を調べる2本
結果を予測する4本
回帰分析とは?(総合ハブ)回帰の全体像と選び方。単回帰・重回帰・ロジスティックの整理。 重回帰分析とは?複数の説明変数で結果を予測。決定係数R²とVIFの読み方まで。 ロジスティック回帰とは?「あり・なし」二値の結果を予測する回帰。オッズ比の読み方まで。 ROC分析とは?予測モデルの見分ける力をAUCで評価。カットオフの決め方まで。
変数や対象をまとめる6本
因子分析とは?多数の観測変数の背後にある共通因子を見つける手法。尺度開発・妥当性検討で使う。 主成分分析とは?多くの変数を少数の総合指標に縮約。固有値・寄与率の読み方まで。 信頼性分析(クロンバッハのα)とは?尺度の内的整合性を確認。αの目安と項目削除の判断まで。 クラスター分析とは?似た対象をグループ分け。階層・k-meansの使い分けまで。 データマイニングとは?大量のデータから規則性やパターンを見つけ出す探索型分析の総称。CRISP-DMまで。 テキストマイニングとは?自由記述などの文章データを単語に分けて集計し、傾向や関係を探る。
サンプルサイズ・効果量を調べる2本
手法選びでよく迷うところ
t検定とU検定はどう選ぶ?
各群の分布が正規分布に近く、平均で比べたいときはt検定を使います。等分散を仮定しないWelchのt検定が標準です。分布の偏りや外れ値が大きいとき、5段階評価のような順序データのときはU検定を使います。
相関分析と回帰分析の違いは?
相関分析は2つの変数の関係の向きと強さを相関係数で示します。回帰分析は説明変数から目的変数の値を予測・説明する式を求め、複数の説明変数も同時に扱えます。
カテゴリか連続値かで何が変わる?
身長や得点のような連続値は平均や相関で扱い、性別や「あり・なし」のようなカテゴリは度数や割合で扱います。カテゴリ同士の関係はカイ二乗検定、二値の結果の予測はロジスティック回帰を使います。
対応あり・なしで何が変わる?
同じ対象を2回以上測ったデータは対応あり、別々の対象どうしを比べるデータは対応なしです。上の表のとおり、同じ2群比較でも使う検定が変わります。
あわせて使うページ
基礎から学ぶ統計学超入門シリーズ →統計そのものがはじめての方は、平均・ばらつき・グラフの読み方から。操作を学ぶSPSSの使い方シリーズ →各手法をSPSSで実行する手順を、画面つきで確認できます。製品を選ぶ分析手法で選ぶSPSS製品 →使いたい手法に必要なSPSSの製品・モジュールを確認できます。体系的に学ぶ統計検定2級オンライン対策講座 →ここで紹介している手法の多くを、講義と演習でまとめて学べます。
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