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中央値の求め方|平均との違い・偶数個の出し方・Excel/SPSSまで

中央値とは、データを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る値のこと。平均が外れ値に引っ張られる場面でも、中央値はデータの“ふつう”を素直に表してくれます。求め方から使い分け、Excel・SPSSでの出し方までやさしく解説します。

小さい順に並べて、ちょうど真ん中の値 1 3 5 8 9 中央値 = 5

畠 慎一郎 スマート・アナリティクス株式会社 代表取締役

経営学修士を取得後、SPSS社に入社。日本アイ・ビー・エムでSPSS製品の製品マーケティング・戦略立案を担当し、セールスフォース・ドットコムでEinstein Analyticsの日本市場責任者を経て現職。著書『武器としてのデータ分析力』『SPSS超入門』ほか。総務省統計局「社会人のためのデータサイエンス講座」講師。

みなさん、こんにちは。スマート・アナリティクスの畠です。「平均を出したけれど、どうも実感と合わない」——研究や現場のデータで、こう感じたことはないでしょうか。少数の極端な値(外れ値)があると、平均はそちらへ引っ張られてしまいます。そんなときに、データの“真ん中”を素直に表してくれるのが中央値です。このページでは、中央値の求め方を奇数個・偶数個の手計算からていねいに追い、平均・最頻値との使い分け、外れ値に強い理由、そしてExcel・SPSSでの出し方までを順番に見ていきます。

このページの要点

  • 中央値は、データを小さい順に並べたときちょうど真ん中に来る値。個数が偶数なら中央2つの平均をとる
  • 平均は外れ値に引っ張られるが、中央値は極端な値の影響を受けにくい(頑健)
  • 年収のように分布が左右非対称なデータでは、中央値のほうが「代表的な値」を表しやすい
  • Excelは MEDIAN 関数、SPSSは「分析→記述統計」から求められる

代表値とは(平均・中央値・最頻値)

データ全体の中心を、たった1つの数値で表したものを代表値といいます。代表値には主に次の3つがあり、目的やデータの性質によって使い分けます。

  • 平均値(mean):すべての値を合計して個数で割った値。もっともよく使われるが、外れ値の影響を受けやすい。
  • 中央値(median):小さい順に並べたときの真ん中の値。外れ値に強い。
  • 最頻値(mode):もっとも多く出てくる値。名義尺度(カテゴリ)でも使える唯一の代表値。

中央値とは

中央値とは、データを大きさの順に並べたとき、順位がちょうど中央にくる値です。上半分と下半分をきっかり分ける境目、と考えるとイメージしやすいでしょう。平均が「値の大きさ」を足し合わせて計算するのに対し、中央値は「順位」だけで決まります。だからこそ、極端に大きい(小さい)値があっても、中央値はほとんど動きません。

中央値の求め方(奇数個・偶数個)

求め方はとてもシンプルで、次の2ステップです。

  1. データを小さい順に並べ替える
  2. 真ん中の順位の値を読む(個数が偶数なら中央2つの平均)

例1:データが奇数個(5個)のとき { 3, 8, 1, 9, 5 } を並べ替えると { 1, 3, 5, 8, 9 }。ちょうど真ん中の3番目=5が中央値です。位置は「(個数+1)÷2=(5+1)÷2=3番目」で求められます。

例2:データが偶数個(6個)のとき { 4, 1, 7, 3, 9, 6 } を並べ替えると { 1, 3, 4, 6, 7, 9 }。中央にある2つ(3番目の4と4番目の6)の平均、(4+6)÷2=5が中央値です。

中央値の求め方(奇数個・偶数個) 奇数個(5個):並べて真ん中の1つ 1 3 5 8 9 ↑ 真ん中 = 中央値 5 偶数個(6個):中央2つの平均 1 3 4 6 7 9 ↑ (4+6)÷2 = 中央値 5

図1|中央値は「小さい順に並べて真ん中」。偶数個なら中央2つの平均をとる
外れ値 中央値 動かない 平均 引っ張られる

ひとつの外れ値に、平均は動くが中央値は動じない

たとえば年収データでは、ごく一部の高所得者に平均が引き上げられ、「平均年収」が多くの人の実感より高く出がちです。中央値は順位で決まるので、極端な値が1つ入っても“真ん中”はほとんど動きません。だから中央値は「ふつうの人の値」に近いのです。

平均・中央値・最頻値の使い分け

3つの代表値は「どれが正しい」ではなく、データの分布に応じて使い分けます。目安を整理します。

代表値何を表すか外れ値への強さ向いているデータ・場面
平均値値の大きさを均した中心弱い(影響大)左右対称に近い分布。テストの点数など
中央値順位の真ん中強い左右非対称・外れ値あり。年収・地価・在院日数など
最頻値もっとも多い値・カテゴリ名義尺度(血液型・好きな色など)

たとえば年収データでは、ごく一部の高所得者に平均が引き上げられ、「平均年収」が多くの人の実感より高く出がちです。こうした場面では、中央値のほうが「ふつうの人の値」に近く、代表値として自然です。

外れ値と代表値(なぜ中央値は頑健か)

中央値が外れ値に強いことを、小さな例で確かめてみましょう。{ 2, 3, 4, 5, 6 } の平均は4、中央値も4です。ここに極端な値 100 を1つ加えて { 2, 3, 4, 5, 6, 100 } にすると、平均は一気に20へ跳ね上がりますが、中央値は (4+5)÷2=4.5 とほとんど動きません。

外れ値があると平均は動くが中央値は動かない 0 20 40 60 80 100 外れ値 100 中央値 4.5 平均 20

図2|データ { 2, 3, 4, 5, 6, 100 }。外れ値100に引っ張られて平均は20へ動くが、中央値は4.5とデータの中心に留まる

ここがポイント 平均は「値の大きさ」で決まるため外れ値に敏感、中央値は「順位」で決まるため頑健です。外れ値が疑われるときは、平均だけで判断せず中央値も併せて確認しましょう。

エクセル・SPSSでの中央値の求め方

Excel セルに =MEDIAN(範囲) と入力します(例:=MEDIAN(A2:A100))。平均は =AVERAGE()、最頻値は =MODE.SNGL() で、3つを並べて比べると分布の偏りが見えてきます。

IBM SPSS Statistics 「分析→記述統計→度数分布表」を開き、「統計量」ボタンから中央値にチェックを入れて実行します。平均・最頻値・四分位数も同じ画面でまとめて出せます。分布の形も確認したいときは「分析→記述統計→探索的分析」が便利です。画面の具体的な操作手順は「SPSSの使い方」シリーズでキャプチャ付きで紹介しています。

つまずきやすいポイントと注意点

  • 並べ替えを忘れる。中央値は必ず「小さい順に並べてから」真ん中を読みます。元の順番のままではいけません。
  • 偶数個で平均を取り忘れる。個数が偶数のときは中央の2つの平均です。片方だけを中央値としないよう注意します。
  • 名義尺度には使えない。血液型や好きな色のようなカテゴリ(名義尺度)は順位がつけられないため、中央値は求められません。この場合は最頻値を使います。
  • 平均だけで語らない。分布が非対称なら、平均と中央値を併記すると誤解を防げます。

よくある質問(FAQ)

Q中央値と平均値は、どちらを使えばよいですか?
分布が左右対称に近ければ平均、外れ値があったり分布が偏っていたりする場合は中央値が向きます。迷ったら両方を併記し、大きく食い違うときは分布の偏りを疑いましょう。
Qデータが偶数個のときの中央値は?
小さい順に並べ、中央にある2つの値の平均をとります。たとえば6個なら3番目と4番目の平均が中央値です。
Q中央値が外れ値に強いのはなぜですか?
中央値は値の大きさではなく「順位」だけで決まるためです。極端な値が加わっても真ん中の順位はほとんど変わらないので、中央値は安定します。
Q平均値・中央値・最頻値の違いは?
平均は合計を個数で割った値、中央値は順位の真ん中の値、最頻値はもっとも多く出る値です。名義尺度で使えるのは最頻値だけです。
Qエクセルで中央値を出す関数は?
=MEDIAN(範囲) です。空白セルは自動的に無視されますが、文字列が混ざると意図しない結果になることがあるため、数値列に対して使ってください。
QSPSSで中央値を求めるには?
「分析→記述統計→度数分布表」で「統計量」から中央値を選ぶか、「探索的分析」で求めます。四分位数や平均も同時に出せます。
Q中央値が使えないデータはありますか?
名義尺度(順序のないカテゴリ)では使えません。順序尺度以上(順位・間隔・比率)であれば中央値を求められます。
Q四分位数と中央値の関係は?
中央値は第2四分位数(Q2)と同じ値です。データを4等分する区切りのうち、真ん中の区切りが中央値にあたります。

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