第2回:統計には2つの役割がある〜記述統計と推測統計を理解する〜|知っておきたい統計学超入門

第2回:統計には2つの種類がある?
みなさん、こんにちは。
スマート・アナリティクス代表の畠です。
前回は、統計学がどのような歴史的背景をもって生まれてきたのかを見てきました。
今回はそこから一歩進み、統計学が「何をする学問なのか」を整理していきましょう。
結論から言うと、統計には大きく分けて2つの役割があります。
この違いを理解することが、統計を正しく使うための最初の関門です。
統計の出発点は「測ること」
統計の最も基本的な考え方は、物事を観測し、「測る」ことです。
ここでいう「測る」には、単に数えることだけでなく、何らかの計算を行うことも含まれます。
データを集め、その特徴や傾向を整理し、そこから何かを理解する。
この一連の流れが、統計の基本的な役割です。
統計は「個人」ではなく「集団」を扱う
統計が扱う対象は、原則として集団です。
ある一人の意見や行動そのものに注目するのではなく、
多くの人や事象に共通する傾向や状態を把握することを目的とします。
母集団と標本(サンプル)
統計を理解するうえで欠かせない考え方が、母集団と標本(サンプル)です。
現実の調査や研究では、調べたい対象すべてのデータを集めることはほぼ不可能です。
そこで、「一部のデータから全体を考える」という発想を取ります。
例えば、日本国民全体の意識を知りたい場合、
- 日本国民すべて → 母集団
- 実際に調査した1000人 → 標本(サンプル)
という関係になります。
この「母集団」と「標本」の区別が、統計学の土台になります。

統計の種類:記述統計と推測統計
統計の役割は、大きく次の2つに分けることができます。
1つ目は、記述統計です。
記述統計は、手元にあるデータ(標本)の特徴を整理し、分かりやすく表現するための方法です。
平均値や中央値、グラフや表を用いて、「このデータはどのような特徴を持っているのか」を理解します。
ここでは、母集団について考える必要はありません。
まずは、目の前のデータを正しく理解することが目的です。
2つ目は、推測統計です。推測統計は、標本から母集団について考えるための方法です。限られたデータをもとに、全体の傾向や特徴を推し量ることを目的とします。
推測統計には、さらに2つの考え方があります。
- 推定:標本から母集団の値を推し量ること
- 検定:得られた結果が偶然ではないかを確認すること
この「推定」と「検定」が、推測統計の中心になります。

記述と推測を混同しないことが重要
記述統計は、手元にあるデータ(これを標本またはサンプルといいま統計でよくある誤りは、
記述統計と推測統計を混同してしまうことです。
今自分がやっているのは、
- データを整理して理解しているのか
- それとも全体について判断しようとしているのか
この違いを意識するだけで、統計の使い方は大きく変わります。
次回に向けて
ここまでで、統計には
「整理する役割(記述統計)」と「考える役割(推測統計)」
があることを見てきました。
次回は、記述統計の第一歩として、
データを要約するという考え方を取り上げます。


