クラスター分析とは|SPSSでできること
クラスター分析は、データ同士の類似性にもとづいて、
対象を自動的にグループ化するための分析手法です。
このページでは、クラスター分析で分かることと、SPSSで実施する際に選ぶべき製品(オプション)を明確にします。
クラスター分析とは
クラスター分析は、事前にグループ数を定めず、 データ間の距離や類似度にもとづいて対象を分類する探索的多変量解析です。 マーケティングのセグメンテーション、行動パターン分析、アンケート分析などで広く用いられます。
この分析で分かること
- 似た特徴を持つ対象のグループ化
- データ構造の把握(自然な分かれ方)
- セグメントごとの特徴の違い
クラスター分析の主な手法
- 階層クラスター分析:データ構造を樹形図で把握
- k-means クラスター分析:指定したクラスター数で分類
- Two-Step クラスター分析:大規模データ・混合尺度に対応
SPSSでクラスター分析を行う場合の製品選定
階層クラスター分析、k-means クラスター分析、Two-Step クラスター分析は、 IBM SPSS Statistics Base の標準機能で実施できます。 追加オプションは不要です。
| 分析手法 | 対応製品 | 特徴 |
|---|---|---|
| 階層クラスター分析 | IBM SPSS Statistics Base | 構造把握 |
| k-means クラスター分析 | 高速・指定クラスタ数 | |
| Two-Step クラスター分析 | 混合尺度・大規模データ |
SPSSでクラスター分析を行うやり方(操作手順の概要)
SPSS Statisticsでは、メニューの [分析]→[分類] から3つのクラスター分析を選べます。代表的な進め方は次のとおりです。
- ステップ1:変数を準備し標準化する
分類に使う変数を選び、尺度(単位)が異なる場合は標準化します。[分析]→[記述統計]→[記述統計]で「標準化された値を変数として保存」にチェックを入れると、Zスコアが新しい変数として作成されます。 - ステップ2:手法を選ぶ
データ構造を樹形図で確認したい場合は[階層クラスタ]、クラスター数を指定して高速に分類したい場合は[大規模ファイルのクラスタ](k-means法)、カテゴリ変数を含む場合や大規模データには[TwoStepクラスタ]を選択します。 - ステップ3:階層クラスター分析の場合
「作図」でデンドログラム(樹形図)の出力を指定し、結合の様子からクラスター数の目安をつかみます。 - ステップ4:k-means法の場合
クラスター数を指定して実行し「保存」で各ケースの所属クラスターを新しい変数として保存します。 - ステップ5:Two-Stepクラスター分析の場合
カテゴリ変数と連続変数をそれぞれ指定します。クラスター数は自動決定に任せることも、範囲を指定することもできます。 - ステップ6:クラスターの特徴を確認する
保存した所属クラスター変数を使い、クラスター別の平均値比較やクロス集計で各グループの特徴(プロファイル)を確認し、解釈・命名します。
結果の読み取りポイント
- デンドログラム(階層クラスター):結合距離が大きく伸びる直前で切ると、まとまりのよいクラスター数の目安になります。
- シルエット係数(Two-Step):モデルビューアに表示される「クラスタの品質」で、凝集度と分離度のバランスを確認します。一般に0.5以上であれば妥当な分類の目安とされます。
- 最終クラスタ中心(k-means):クラスターごとの変数の平均値を比較し、「高関与・高頻度グループ」「価格重視グループ」のように特徴づけ・命名します。
- クラスターサイズ:楽端に小さいクラスターは外れ値の集まりである可能性があります。件数の偏りも併せて確認します。
よくあるつまずきと対処のヒント
- 標準化せずに実行してしまう:年収(数百万円単位)と満足度(5段階)のように尺度が異なる変数をそのまま使うと、尺度の大きい変数だけで分類が決まってしまいます。事前の標準化が基本です。
- 外れ値が単独クラスターを作る:少数の極端なケースが1つのクラスターを占有することがあります。事前に外れ値を確認し、扱い(除外・別扱い)を決めておきます。
- 名義尺度の変数を階層・k-meansに投入する:これらは距離計算が前提のため、カテゴリ変数には適しません。カテゴリ変数を含む場合はTwo-Stepクラスター分析を使います。
- クラスター数を1つの根拠だけで決める:デンドログラム・シルエット係数・解釈のしやすさなど、複数の観点で確認しないと再現性のない分類になりがちです。
- 結果を「統計的に証明された分類」と説明してしまう:クラスター分析は探索的手法であり、検定ではありません。得られたセグメントの妥当性は、別の変数との関連(外的基準)で確認します。
分析時の注意点
- 変数のスケーリング(標準化)を検討する
- クラスタ数の妥当性を必ず確認する
- 結果は探索的であり、検定ではない
クラスター分析の次に検討すべき分析手法
- 判別分析:分類ルールの構築
- コレスポンデンス分析:カテゴリ構造の可視化
- 回帰分析:クラスター別要因分析
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