因子分析とは?|目的・種類・SPSSでの実施手順と製品選定ガイド|スマート・アナリティクス
分析手法ガイド|多変量解析

因子分析とは?
多数の変数を要約する統計手法と SPSS 製品選定ガイド

質問紙調査や心理尺度、満足度調査などで、項目数を減らしつつ概念構造を把握したい場面で用いる多変量解析手法。 探索的因子分析(EFA)の実施から確認的因子分析(CFA)まで、必要な SPSS 製品の選び方を整理します。

難易度:★★☆ 想定読了:8分 最終更新 2026.05.10 監修:スマート・アナリティクス代表

1因子分析とは

因子分析は、複数の変数間の相関関係をもとに、それらを説明する少数の潜在因子を推定する多変量解析手法です。 質問紙調査や心理尺度、満足度調査などで、項目数を減らしつつ概念構造を把握したい場合に用いられます。

統計ソフトとしては、IBM SPSS Statistics で広く実施されています。 探索的因子分析(EFA)は SPSS Statistics Base の標準機能で完結し、 確認的因子分析(CFA)を行う場合は SPSS Amos が必要となります。

関連手法との位置付け: 変数の「情報を圧縮する」のが主成分分析、「背後の構造を解釈する」のが因子分析です。 尺度開発・概念測定では因子分析が、データ圧縮・指標統合では主成分分析が選ばれます。

2因子分析で分かること

  • 多数の変数を少数の因子に要約できる
  • 質問項目や指標の背後にある共通構造を把握できる
  • 尺度構成や指標設計の妥当性を検討できる
  • 後続の分析(回帰・SEM 等)に使う因子得点を作成できる

3因子分析の主な種類

手法主な用途推奨製品
探索的因子分析(EFA)因子構造が未知の段階で、データから潜在因子を探索するSPSS Statistics Base
主因子法共通因子に着目して因子を抽出する古典的手法SPSS Statistics Base
最尤法統計的検定(適合度・因子数決定)や SEM への接続が可能SPSS Statistics Base / Amos
確認的因子分析(CFA)理論的に想定した因子構造の妥当性を検証するSPSS Amos
使い分けの目安: 因子構造が未確定の探索段階ではEFA(Base)、理論モデルが固まった検証段階ではCFA(Amos)。 論文では「探索→確認」の二段階で示すことが多くあります。

4研究・ビジネスでの利用シーン

心理・教育

心理尺度・満足度尺度の構成検討

新しい尺度の開発初期で、項目群がどの潜在概念を測定しているかを EFA で抽出。研究の信頼性・妥当性を裏付けます。

調査・マーケティング

アンケート項目の削減・整理

30問のアンケートを5〜6個の意味のある軸に要約。レポートのストーリー化・指標化に直結します。

ブランド調査

ブランド・イメージ構造の把握

多数の評価項目から、ブランド評価を構成する「軸」を抽出。ポジショニング分析の前処理として用います。

さらに、抽出した因子得点を用いて、回帰分析やクラスター分析、SEM などの後続分析につなげることもできます。

5SPSSで因子分析を行う場合の製品選定

因子分析は IBM SPSS Statistics の標準機能で実施できます。 探索的因子分析に必要な抽出法・回転法・因子得点の算出は Base に含まれます。 理論モデルを検証する確認的因子分析(CFA)には Amos が必要です。

目的推奨製品備考
探索的因子分析(EFA)IBM SPSS Statistics Base主因子法・最尤法・各種回転をサポート
確認的因子分析(CFA)IBM SPSS Amosパス図ベースで理論モデルを検証
因子構造の検証+SEMIBM SPSS Amos潜在変数モデル・共分散構造分析に接続

6分析時の注意点

  • サンプルサイズが十分であること(1変数あたり5〜10ケース以上が目安)
  • 因子数の決定は固有値・スクリープロットなどの統計的基準理論的解釈可能性の両面から判断する
  • 回転方法は因子間の独立性の仮定に応じて、直交回転(バリマックス等)と斜交回転(プロマックス等)を使い分ける
  • 因子負荷量の解釈は、サンプルサイズに応じた基準値(一般に0.3〜0.4以上)を踏まえて行う

因子分析の進め方、専門家に相談しませんか?

因子数の決定、回転方法の選択、結果の論文記述まで——分析設計の段階でご相談いただけます。
研究テーマに応じて、必要な SPSS 製品構成もご提案します。

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7よくあるご質問

因子分析と主成分分析は何が違いますか?
主成分分析は「情報の要約・次元削減」を目的とするのに対し、因子分析は「背後にある潜在構造(因子)を解釈する」ことを目的とします。 尺度構成や理論的概念の検討には、因子分析が適しています。
サンプルサイズはどれくらい必要ですか?
一般的には「1変数あたり5〜10ケース以上」が目安とされます。 ただし、因子負荷量の大きさや因子構造の明確さによって必要サンプル数は変わるため、理論的妥当性と合わせて判断することが重要です。
因子数はどのように決めればよいですか?
固有値(1以上)、スクリープロット、累積寄与率などの統計的基準に加え、理論的な解釈可能性を踏まえて総合的に判断します。 「統計的に最適」よりも「解釈できる」因子数を重視することが重要です。
回転方法(直交回転・斜交回転)はどう選びますか?
因子同士が独立していると仮定する場合は直交回転、相関があると考えられる場合は斜交回転を用います。 心理・社会科学分野では、斜交回転が選ばれることが多くあります。
因子分析は SPSS Statistics Base だけで実施できますか?
はい、探索的因子分析(EFA)は IBM SPSS Statistics Base の標準機能で実施できます。 確認的因子分析(CFA)を行う場合は、SPSS Amos が必要です。

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