SPSS Statistics 追加モジュール

IBM SPSS
Missing Values

欠損を含むデータで、偏りを抑えて推定する

回答漏れ、測定の抜け、追跡中の脱落。欠損がどの変数でどのように起きているかを確かめ、多重代入法で複数の補完データを作って結果を統合します。

  • 欠損パターン分析
  • EM アルゴリズム
  • 多重代入法(MI)
  • 結果の自動統合

Base に追加して利用最終更新 2026.09.28

IBM SPSS Statistics
出力ログ欠損値分析 一変量の統計 欠損パターン多重代入 代入の仕様 プールした推定値変数ごとの欠損率回答者 1,860 名世帯年収18.2%運動習慣7.5%睡眠時間5.1%喫煙2.4%BMI1.3%数値は説明用の架空データ
欠損の多い変数と、欠損が重なるパターンを最初に確かめます。

要約

IBM SPSS Missing Values とは、SPSS Statistics Base に追加して、欠損のパターン分析、EMアルゴリズム、多重代入法(MI)を使えるようにするモジュールです。

  • 使う場面:未回答の多い調査、追跡研究の脱落、欠損の扱いを論文で説明する研究
  • 主な機能:欠損値分析、Little の MCAR 検定、EM アルゴリズム、多重代入法、結果の自動統合
  • 入手方法:Base への追加、各エディションへの同梱(構成はお見積り時にご案内)

30秒診断:Missing Values は必要?

ご自身の研究・業務に照らして、次の3問を確かめてください。

Q1

欠損のあるケースを除くと、対象者が大きく減りますか?

例:どれか1問でも未回答の人を除くと 2 割減る

はい多重代入法で、ケースを除かずに推定します。

Q2

欠損が特定の層に偏っていそうですか?

例:高齢者ほど年収の未回答が多い、重症者ほど脱落が多い

はい欠損パターン分析で、偏りの有無を確かめます。

Q3

論文で欠損の扱いを説明する必要がありますか?

例:査読で「欠損の処理方法」を問われる

はい代入の設定と統合結果を出力し、方法の節にそのまま書ける形で残せます。

1つでも「はい」なら、Missing Values の追加をおすすめします。欠損がごく少なく、ケースを除いても結果が変わらないデータなら、Base で分析できます。

分析の流れ:年収の未回答が多い調査で回帰した例

健康調査のデータを例に、欠損の確認から結果の統合までを示します。数値は説明用の架空データです。

  1. 欠損を確かめる「分析 → 欠損値分析」で、世帯年収の欠損が18.2%あり、高齢層に多いことを確かめます。
  2. 代入する「分析 → 多重代入 → 欠損データ値の代入」で、代入の回数を20、代入に使う変数に年齢・性別・学歴などを指定します。
  3. 分析する代入後のデータで線形回帰を実行すると、20個の結果とプールした推定値が自動で出力されます。
  4. 結論を書く欠損のあるケースを除いた分析(n = 1,452)と、多重代入法の結果(n = 1,860)を並べて報告し、結論が変わらないことを示します。
IBM SPSS Statistics
出力ログ欠損値分析 一変量の統計 欠損パターン多重代入 代入の仕様 プールした推定値多重代入係数(プールした推定値・代入 20 回)B標準誤差有意確率欠損情報の割合運動習慣1.84.42.000.06世帯年収(百万円).31.12.011.21年齢-.08.02.000.04読み方欠損の多い世帯年収は、欠損情報の割合が .21 と大きい。20 回の代入結果を統合した値を報告する。数値は説明用の架空データ
代入ごとの結果を統合した推定値。欠損が推定にどれだけ影響したかもわかります。

Base と Missing Values の分担

ケースを除く扱いや平均値での置換は Base にもあります。欠損の構造を調べ、偏りを抑えて推定する方法は Missing Values です。

やりたいこと使う手法収録先
欠損のあるケースを除いて分析するリストワイズ・ペアワイズ除去Base
系列の平均値などで欠損を置き換える欠損値の置換Base
欠損のパターンと偏りを調べる欠損値分析(パターン分析)Missing Values
欠損を考慮して平均・相関を推定するEM アルゴリズムMissing Values
複数の補完データを作り、結果を統合する多重代入法(MI)Missing Values

搭載している主な手法

欠損値分析

MVA

変数ごとの欠損率、欠損の組み合わせのパターン、欠損とほかの変数との関係を表と図で示します。

EM アルゴリズム

EM

欠損を考慮した最尤推定で、平均・共分散・相関を求めます。Little の MCAR 検定も出力します。

多重代入法

Multiple Imputation

欠損を複数回補完したデータを作ります。代入の方法と回数、代入に使う変数を指定できます。

結果の自動統合

Pooling

代入後のデータで回帰やt検定を行うと、代入ごとの結果と統合した推定値がまとめて出力されます。

組み合わせの例

欠損の多い縦断研究や調査データでの組み合わせです。

追跡研究の脱落を扱うなら

Base+Missing Values+Advanced Statistics

多重代入法に加えて、欠損のあるデータをそのまま扱える線形混合モデルとも比べられます。

前処理から整えるなら

Base+Missing Values

Base のデータ検証で入力ミスを点検してから、欠損を多重代入法で扱います。

Base・関連製品との関係

製品・モジュール主な役割Missing Values との関係
SPSS Statistics Baseリストワイズ・ペアワイズ除去、欠損値の置換Missing Values を使うための前提です。Base に追加して使います。
SPSS Data Preparationデータ検証、自動データ準備Base に含まれる機能です。分析前の点検と前処理に使います。
SPSS Advanced Statistics線形混合モデル縦断データの欠損を、モデル側で扱う場合に組み合わせます。

検討の進め方

よくあるご質問

欠損のあるケースを除くだけで足りる場合もありますか?
欠損が完全にランダム(MCAR)で、割合も小さい場合は、ケースを除いても大きな偏りは生じにくいとされます。割合が大きい場合や、特定の層に偏っている場合は多重代入法を使います。
代入の回数は何回が目安ですか?
欠損の割合が大きいほど多くの回数が必要です。20〜100回がよく使われます。SPSS では回数を指定でき、代入ごとの結果と統合した結果がまとめて出力されます。
MCAR・MAR・MNAR とは何ですか?
MCAR は完全にランダムな欠損、MAR は観測された変数を考慮すればランダムといえる欠損、MNAR は欠損した値そのものに関係する欠損です。多重代入法は MAR を前提にしています。
アカデミック版とビジネス版で機能は違いますか?
使える分析機能は同じです。違いは価格区分と利用条件です。大学・研究機関の方にはアカデミック価格をご案内します。
ご相談・サポート担当(専門スタッフ)が対応しますIBM SPSS 正規販売店として、構成選び・お見積り・導入後のご相談まで担当します。

研究に合う構成をご提案します

欠損の状況と分析の予定を伺い、Missing Values を含む過不足のない構成とお見積りをまとめます。アカデミック価格や公費でのご購入もご相談ください。

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