SPSS Statistics 追加モジュール
IBM SPSS
Missing Values
欠損を含むデータで、偏りを抑えて推定する
回答漏れ、測定の抜け、追跡中の脱落。欠損がどの変数でどのように起きているかを確かめ、多重代入法で複数の補完データを作って結果を統合します。
- 欠損パターン分析
- EM アルゴリズム
- 多重代入法(MI)
- 結果の自動統合
要約
IBM SPSS Missing Values とは、SPSS Statistics Base に追加して、欠損のパターン分析、EMアルゴリズム、多重代入法(MI)を使えるようにするモジュールです。
- 使う場面:未回答の多い調査、追跡研究の脱落、欠損の扱いを論文で説明する研究
- 主な機能:欠損値分析、Little の MCAR 検定、EM アルゴリズム、多重代入法、結果の自動統合
- 入手方法:Base への追加、各エディションへの同梱(構成はお見積り時にご案内)
30秒診断:Missing Values は必要?
ご自身の研究・業務に照らして、次の3問を確かめてください。
欠損のあるケースを除くと、対象者が大きく減りますか?
例:どれか1問でも未回答の人を除くと 2 割減る
はい多重代入法で、ケースを除かずに推定します。
欠損が特定の層に偏っていそうですか?
例:高齢者ほど年収の未回答が多い、重症者ほど脱落が多い
はい欠損パターン分析で、偏りの有無を確かめます。
論文で欠損の扱いを説明する必要がありますか?
例:査読で「欠損の処理方法」を問われる
はい代入の設定と統合結果を出力し、方法の節にそのまま書ける形で残せます。
1つでも「はい」なら、Missing Values の追加をおすすめします。欠損がごく少なく、ケースを除いても結果が変わらないデータなら、Base で分析できます。
分析の流れ:年収の未回答が多い調査で回帰した例
健康調査のデータを例に、欠損の確認から結果の統合までを示します。数値は説明用の架空データです。
- 欠損を確かめる「分析 → 欠損値分析」で、世帯年収の欠損が18.2%あり、高齢層に多いことを確かめます。
- 代入する「分析 → 多重代入 → 欠損データ値の代入」で、代入の回数を20、代入に使う変数に年齢・性別・学歴などを指定します。
- 分析する代入後のデータで線形回帰を実行すると、20個の結果とプールした推定値が自動で出力されます。
- 結論を書く欠損のあるケースを除いた分析(n = 1,452)と、多重代入法の結果(n = 1,860)を並べて報告し、結論が変わらないことを示します。
Base と Missing Values の分担
ケースを除く扱いや平均値での置換は Base にもあります。欠損の構造を調べ、偏りを抑えて推定する方法は Missing Values です。
| やりたいこと | 使う手法 | 収録先 |
|---|---|---|
| 欠損のあるケースを除いて分析する | リストワイズ・ペアワイズ除去 | Base |
| 系列の平均値などで欠損を置き換える | 欠損値の置換 | Base |
| 欠損のパターンと偏りを調べる | 欠損値分析(パターン分析) | Missing Values |
| 欠損を考慮して平均・相関を推定する | EM アルゴリズム | Missing Values |
| 複数の補完データを作り、結果を統合する | 多重代入法(MI) | Missing Values |
搭載している主な手法
EM アルゴリズム
EM
欠損を考慮した最尤推定で、平均・共分散・相関を求めます。Little の MCAR 検定も出力します。
多重代入法
Multiple Imputation
欠損を複数回補完したデータを作ります。代入の方法と回数、代入に使う変数を指定できます。
結果の自動統合
Pooling
代入後のデータで回帰やt検定を行うと、代入ごとの結果と統合した推定値がまとめて出力されます。
組み合わせの例
欠損の多い縦断研究や調査データでの組み合わせです。
追跡研究の脱落を扱うなら
Base+Missing Values+Advanced Statistics
多重代入法に加えて、欠損のあるデータをそのまま扱える線形混合モデルとも比べられます。
前処理から整えるなら
Base+Missing Values
Base のデータ検証で入力ミスを点検してから、欠損を多重代入法で扱います。
Base・関連製品との関係
| 製品・モジュール | 主な役割 | Missing Values との関係 |
|---|---|---|
| SPSS Statistics Base | リストワイズ・ペアワイズ除去、欠損値の置換 | Missing Values を使うための前提です。Base に追加して使います。 |
| SPSS Data Preparation | データ検証、自動データ準備 | Base に含まれる機能です。分析前の点検と前処理に使います。 |
| SPSS Advanced Statistics | 線形混合モデル | 縦断データの欠損を、モデル側で扱う場合に組み合わせます。 |
検討の進め方
よくあるご質問
欠損のあるケースを除くだけで足りる場合もありますか?
代入の回数は何回が目安ですか?
MCAR・MAR・MNAR とは何ですか?
アカデミック版とビジネス版で機能は違いますか?
研究に合う構成をご提案します
欠損の状況と分析の予定を伺い、Missing Values を含む過不足のない構成とお見積りをまとめます。アカデミック価格や公費でのご購入もご相談ください。
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