SPSSで逆転項目データを逆転させる方法|知っておきたいSPSSの小技:#3

 アンケート調査において既存の尺度などを利用する際に逆転項目や反転項目といわれる測定の向きが逆の設問・質問のデータを分析することは多々ありますね。

 逆転項目や反転項目は、アンケートの質を確認する際に回答者が正しく(ちゃんと読んで・考えて)回答してくているかなどを確認する際には有効なテクニックですが、いざ統計解析を行おうと思った際には、その項目自体をまた逆転させる必要があります。つまり、他の質問が5件法で1:まったく当てはまらない~5:完全にあてはまるのような項目で調査しているのに対して、逆転項目の項目は、1:もっともそう思う~5:まったくそう思わないのように逆になっているので、そのまま分析しようとするとちょっと使いづらく、他の項目とどうように項目の並びを変えたいと思います。

 エクセルやCSVでこれらの処理をしようとした際には、それほど手間ではありませんが、分析あるあるでたまに値が消えてしまったり、チェックしていたはずなのに12みたいな項目ができてしまったりと、悲しくなることが起きてしまいます。

 そこでSPSSを利用して加工すると簡単に、そして正確に逆転項目の処理ができますので今回はその方法をご紹介します。

 SPSSで逆転項目を加工するには、「変換」のメニューを利用します。その中でも「他の変数の値の再割り当て」を利用しましょう。この変換は元のデータを残したまま、新しい変数を作成する方法です。元データが残りますのでいろいろトラブルが起こっても大丈夫です。

データを元に新しく変数を作成するに便利な
「他の変数の値の再割り当て」

手順1:メニューバーから[変換]>[他の変数への値の再割り当て]を選びます。

手順2:[他の変数への値の再割り当て]ダイアログが表示されます。左側に対象となる変数が表示されているので、対象となる項目を[数値型変数-->出力変数]に移動します。この例では逆転項目で5件法の項目である「Q1_2」を選択しています。

手順3:右側の[変換先変数]部分の[名前]に、新たな変数を入れます。私は逆転項目と分かるように「変数名_R」のような項目の付け方をすることが多いです。もちろんお好きなように項目名+逆とか逆+項目名でもOKです。お好きな名前を付けてください。入力が終わったら「変更」をクリックし、宣言が終わったら「今までの値と新しい値」をクリックします。

手順4:続いて「今までの値と新しい値 」をクリックします。

手順5:この画面を元に値を割り当てます。左側の[今までの値]の部分に、変換前の値を指定し、右側の[新しい値]に変換後の値を指定します。一つの値だけを変換する場合は[値]部分に数値を入力します。

逆転項目を設定する際には、

・今までの値:1 → 新しい値:5

・今までの値:2 → 新しい値:4

・今までの値:3 → 新しい値:3

・今までの値:4 → 新しい値:2

・今までの値:5 → 新しい値:1

としてどんどん追加していきます。3を3に割り当てることを忘れないようにしましょう。

完了したら「続行」ボタンを押しましょう。

SPSSでは新しい変数を作成した際には、変数ビューでは一番下、データビューでは一番右に新しい変数が作成されます。データビューでも確認し、元のデータと比較して逆転項目ができていたら完成です。

この「他の変数の値の再割り当て」機能は、この他にもいろいろなシーンで利用します。今後の小技コラムでご紹介していきたいと思います。