SPSS Statistics 32 の新機能

ベイズ変数選択(回帰)

ベイズファクターで、回帰の説明変数を採るか外すかを判断する拡張手続きです。

SPSS Statistics 32 では、Extension Hub から導入できる拡張手続き STATS BAYES SELECTVARS が加わりました。候補の説明変数ごとに、モデルに入れる根拠がデータにどれだけあるかをベイズファクターで示し、複数の候補モデルを比べられます。

Extension Hub から追加R プラグインで動作SPSS Statistics 32 以降

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IBM SPSS Statistics
ベイズ変数選択の出力イメージ
ベイズ変数選択の出力イメージ
要約

ベイズ変数選択の要点

要約

ベイズ変数選択は、回帰分析の候補変数について「入れたモデル」と「入れないモデル」をベイズファクターで比べ、どの変数をモデルに含めるかを証拠の強さで判断する手法です。SPSS Statistics 32 では Extension Hub から STATS BAYES SELECTVARS を導入して使います。

種別
拡張機能(R)
対応バージョン
SPSS Statistics 32 以降
メニュー
Extension Hub で導入後、分析メニューの回帰の項目から
向いている分析
候補変数が多い回帰モデルの絞り込み
できること

ベイズ変数選択でできること

目的変数と候補の説明変数を指定すると、各変数をモデルに入れる根拠の強さと、データに支持される候補モデルが出力されます。

変数ごとの証拠の強さ

各説明変数について、モデルに入れる根拠がデータにどれだけあるかをベイズファクターで示します。値の大きさで変数に順位をつけられます。

候補モデルの比較

変数の組み合わせが異なる複数のモデルを比べ、データに支持されるモデルを示します。複数の変数を同時に考慮して評価します。

採否の根拠を連続量で記録

p値のしきい値で二分する代わりに、証拠の強さを数値で残せます。論文や報告書で変数を選んだ理由を書くときの根拠になります。

考え方

ベイズファクターの考え方と読み方

ベイズファクターは、2つのモデルのうちデータがどちらをどれだけ支持しているかを表す比です。

変数 X を入れたモデル変数 X を入れないモデル データ Y = X + ほかの候補変数Y = ほかの候補変数 観測された値 ベイズファクター 入れたモデルでのデータの起こりやすさ 入れないモデルでのデータの起こりやすさ 同じデータに対して2つのモデルの当てはまりを比べ、その比を証拠の強さとして読みます。

変数選択では、ある変数を入れたモデルと入れないモデルを並べ、同じデータがそれぞれのモデルのもとでどれだけ起こりやすいかを比べます。この比がベイズファクターです。

値が 1 より大きければ入れたモデルが、1 より小さければ入れないモデルが支持されます。1 から離れるほど証拠は強く、文献では「やや強い」「強い」「非常に強い」といった段階で表されることもあります。段階の目安となる数値は文献によって幅があるため、出力の値は相対的な手がかりとして読むのが安全です。

ベイズファクターは事前分布の設定によって値が変わります。論文や報告書では、用いた事前分布の設定を結果とあわせて記載してください。

1 どちらのモデルも同程度に支持 入れないモデルを支持入れたモデルを支持 1 から離れるほど証拠が強い(値は 1 未満)1 から離れるほど証拠が強い(値は 1 超)
比較

ステップワイズ法との違い

どちらも回帰の説明変数を選ぶ手法です。判断の枠組みが異なります。

観点ベイズ変数選択ステップワイズ法
判断基準ベイズファクター(証拠の強さ)p値のしきい値
出力の意味入れる根拠・入れない根拠の強さを連続量で示す基準を満たすかどうかで採否が決まる
評価のしかた複数の変数を同時に考慮して候補モデルを比べる1変数ずつ検定をくり返して出し入れする
手順による違い前進・後退といった手順の選択に左右されない前進選択・後退除去などの手順によって選ばれる変数が変わりうる
事前の設定事前分布を設定する(結果に影響する)投入・除去の有意水準を設定する

ステップワイズ法は多数の検定をくり返すため、関係の薄い変数が偶然に取り込まれることが知られています。ベイズ変数選択は、その結果を確かめる補完的な手段としても、変数選択の主な手段としても使えます。再現性と説明のしやすさを重視する分析で、有力な選択肢になります。

使い方

導入と実行の流れ

拡張手続きのため、はじめに Extension Hub から導入します。

01

拡張ハブを開く

「拡張」メニューから「拡張ハブ(Extension Hub)」を開きます。

02

拡張をインストール

STATS BAYES SELECTVARS を検索してインストールします。

03

手続きを呼び出す

分析メニューの回帰の項目から、ベイズ変数選択を選びます。

04

変数を指定

目的変数と、候補となる説明変数の一覧を指定します。

05

オプションを設定

事前分布などのオプションを必要に応じて設定し、実行します。

06

採否を検討

出力されたベイズファクターをもとに、分析の目的と分野の知識に照らして各変数の採否を決めます。

導入時の設定

拡張手続きは R プラグインで動作し、初回実行時に R パッケージを取得することがあります。ネットワークに制限のある環境では、SPSS Statistics 32 で追加された CRAN ミラーの設定(spssprod.inf の CranURL キー)でパッケージの取得先を指定できます。

バージョン
SPSS Statistics 32 以降
拡張
STATS BAYES SELECTVARS
実行環境
R プラグインが利用できること

メニューの正確な位置とオプションの詳細は IBM のドキュメントでご確認ください。

活用例

ベイズ変数選択が向いている場面

多数の候補変数からの絞り込み

アンケートの多数の設問や、収集した多くの指標から、結果に効く変数を選びます。証拠の強さで順位をつけられるため、優先順位を決めやすくなります。

探索的な研究

仮説が固まる前の段階で、どの変数に見込みがあるかを証拠の濃淡として把握し、次の研究設計に生かします。

説明責任が求められる分析

医療、公共政策、経営判断など、変数を採用した理由を関係者に説明する分析で、判断の根拠を数値で示せます。

よくある質問

よくある質問

ベイズファクターとは何ですか?

2つのモデルのうち、データがどちらをより強く支持しているかを表す比です。変数選択では「変数を入れたモデル」と「入れないモデル」を比べ、証拠の強さを連続的な値で示します。

ステップワイズ法と併用できますか?

併用できます。ステップワイズ法で選ばれた変数をベイズ変数選択で確かめる、あるいはベイズ変数選択を主な手段として使うなど、目的に応じて位置づけてください。

ベイズ統計の知識はどの程度必要ですか?

操作は拡張手続きのダイアログで行えます。事前分布の設定と、ベイズファクターの大きさの読み方には、ベイズ統計の基本的な理解があると安心です。

Boruta 変数選択とはどう使い分けますか?

Boruta 変数選択(SPSS Statistics 31 で追加された拡張)は、ランダムフォレストにもとづく特徴量選択で、非線形の関係や分類問題に強い手法です。ベイズ変数選択は、回帰モデルの枠組みでベイズファクターを使って変数を選びます。目的とデータの性質に応じて使い分けます。

拡張の導入に社内ネットワークの設定は関係しますか?

R パッケージを取得するため、初回実行時に外部への接続が発生することがあります。ネットワークに制限がある場合は、spssprod.inf の CranURL キーで CRAN ミラーを指定できます。

出力をそのまま最終モデルにしてよいですか?

出力は変数ごとの証拠の強さを示す判断材料です。最終的にどの変数を残すかは、分析の目的と分野の知識に照らして分析者が決めます。証拠が弱くても理論上欠かせない変数を残す判断もあります。

専門スタッフが対応しますIBM SPSS 正規販売店。構成のご確認だけのご相談も承ります。

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候補変数の整理から、事前分布の設定、出力の読み方まで、分析の内容に合わせてご相談を承ります。

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