SPSSによる記述統計量の出力と読み方|SPSSの使い方 第6回

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⏱ 所要時間 8分 ⭐ 難易度 ★★☆ 📅 最終更新 2026.05.17 著者:畠 慎一郎

本ページでは、SPSSで主要な記述統計量(平均値・中央値・分散・標準偏差・パーセンタイル)を出力する手順と読み方を解説します。連載「SPSSの使い方」第6回です。

このページでできるようになること

  • 平均値・中央値・分散・標準偏差を算出できる
  • 分布の形状(歪度・尖度)を把握できる
  • どの統計量がどの場面で有効か判断できる

事前に準備するもの

読み込み済みのSPSSデータセット(量的変数を含むもの)。

SPSSの使い方シリーズのバナー画像(IBM SPSS Statistics 超入門)

SPSSで記述統計量を計算する手順(量的データ・第6回)

量的データの特徴を明らかにしよう

SPSSの「探索的」分析を使うと、量的データの代表値(平均・中央値・分散・標準偏差)と分布形状(ヒストグラム・箱ひげ図・Q-Qプロット)を一度に取得できます。記述統計の出発点として最初に走らせると効率的です。

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「分析」>「記述統計」>「探索的」を選ぶ

SPSSのメニューバーから「分析」>「記述統計」>「探索的」を選択します。「記述統計」だけより、代表値とグラフを同時に得られるのが特長です。

SPSSの「分析 → 記述統計 → 探索的」メニューを選択する画面
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依存変数(解析対象の量的変数)を指定する

「探索的」ダイアログで、左側の変数一覧から対象となる量的変数を選び、右側の「依存変数」欄に移動します。年齢・収入・住居年数など、スケール尺度の変数が対象です。

「探索的」ダイアログで依存変数を指定する画面
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「統計量」オプションで欲しい指標を選ぶ

「統計量」ボタンを押し、表示したい指標にチェックを入れます。「記述統計」(平均・標準偏差ほか)と「パーセンタイル」を選ぶと、代表値と四分位点が同時に出力されます。

「探索的」の「統計量」オプション選択画面(平均・中央値・パーセンタイル他)
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「プロット」オプションでグラフを設定する

「プロット」ボタンを押し、ヒストグラム・箱ひげ図・Q-Qプロットなど、視覚化したいグラフにチェックを入れます。分布形状と外れ値を一目で確認できます。

「探索的」の「プロット」オプション(ヒストグラム・箱ひげ図の生成設定)
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「OK」で結果を出力する

設定が完了したら「OK」をクリック。出力ビューアに記述統計表・パーセンタイル表・各種グラフが一気に表示されます。

記述統計表の出力結果を読み取る

まず記述統計表を確認します。度数(N)・平均(Mean)・標準偏差(Std. Deviation)・分散(Variance)・最小値・最大値が並びます。標準偏差はデータのばらつきを示す代表的指標で、平均からどれくらい離れているかを表します。

SPSS記述統計の出力結果:平均・標準偏差・分散を含む記述統計表

続いてパーセンタイル表で四分位点(25・50・75パーセンタイル)を確認します。中央値(50パーセンタイル)と平均値の乖離が大きい場合は、分布が偏っている(歪度がある)サインです。

SPSS記述統計の出力結果:パーセンタイル表(四分位点を含む)

ヒストグラム・箱ひげ図でデータの分布を確認する

数値だけでは分布の形状や外れ値が掴みにくいため、グラフでの可視化が不可欠です。SPSSの「探索的」分析では、依存変数ごとに以下3種類のグラフを自動生成します。

① ヒストグラム:データを区間(ビン)に分けて度数を棒で表示。山の形状から「正規分布に近いか」「裾が長いか」を判定します。

SPSS記述統計の出力結果:ヒストグラム(量的データの分布可視化)

② 箱ひげ図(ボックスプロット):第1四分位・中央値・第3四分位を箱で表示し、ひげの外側に出る点は外れ値として強調されます。データクリーニングの起点として有効です。

SPSS記述統計の出力結果:箱ひげ図(外れ値検出に有効)

③ 莖葉図(ステム&リーフ):元データの数値を保ったまま分布を表示する図。サンプル数が中程度(数十件)のときに、個別データ点も追跡できる便利な可視化です。

SPSS記述統計の出力結果:莖葉図(データの分布パターンを表示)

Q-Qプロットで正規性を視覚的に検証する

多くの統計手法(t検定・分散分析・回帰分析など)は「データが正規分布に従う」ことを前提とします。正規性の検証にはQ-Qプロットが最も直感的です。

SPSS記述統計の出力結果:Q-Qプロット(正規性の視覚検証)

プロットが対角線(赤い直線)にほぼ沿っていれば正規分布と見なせます。両端で線から大きく外れる場合は、裾が重い分布(外れ値の存在や歪度)が示唆されます。Shapiro-Wilk検定などの正規性検定と併せて判断するのが定石です。

今回はSPSSの「探索的」分析を使って、量的データの代表値・分布・正規性を一括で取得する手順を解説しました。次回は質的データを対象に、度数分布表とカテゴリ別グラフを作成していきます。

よくあるご質問

平均値と中央値はどう使い分ける?

分布が左右対称で外れ値がない場合は平均値、歪んだ分布や外れ値がある場合は中央値を採用します。例えば年収データは一部の高額値に引っ張られて平均値が実態を表さないため、中央値を使うのが一般的です。

標準偏差と分散の違いは?

分散はデータのばらつきを2乗で表した値、標準偏差はその平方根で元の単位と一致します。論文ではデータと同じ単位で読みやすい標準偏差(SD)で報告するのが一般的です。

「探索的」と「記述統計」の違いは?

「記述統計」は平均・標準偏差など基本統計量のみ。「探索的」は平均・中央値・パーセンタイル・歪度・尖度・正規性検定・箱ひげ図を網羅的に出力します。初期調査は「探索的」を推奨します。

今回利用するソフトウェア

IBM SPSS Statistics

IBM SPSS Statistics

全世界で利用される統計解析のスタンダードソフトウェア。論文・研究で用いる主要な統計手法を網羅し、出力結果は論文記述しやすい形式で整理されています。

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今回ご紹介ソフトウェア

SPSS Statistics のイメージ

IBM SPSS Statistics

全世界で28万人以上が利用する統計解析のスタンダードソフトウェアです。1968年に誕生し、50年以上にわたり全世界の統計処理をサポート。データ分析の初心者からプロまでデータの読み込みからデータ加工、分析、出力までをカバーする統合ソフトウェアです。

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