SPSS Statistics 追加モジュール

IBM SPSS
Complex Samples

全国調査・疫学調査のデータを、標本設計どおりに分析する

地域で層に分け、市区町村や世帯を段階的に抽出した調査では、単純な無作為抽出を前提にした計算だと標準誤差が小さく出ます。抽出の設計とウェイトを計画ファイルに記録し、それを反映した推定を行います。

  • 層化・クラスター・多段抽出
  • 設計効果
  • CSLOGISTIC・CSCOXREG
  • 標本抽出ウィザード

Base に追加して利用最終更新 2026.09.28

IBM SPSS Statistics
出力ログコンプレックス サンプル 計画の要約 度数分布表 記述統計 ロジスティック回帰 Cox 回帰コンプレックス サンプル喫煙の割合(層化2段抽出・n = 4,800)推定値標準誤差下限上限設計効果喫煙している17.8%0.8216.2%19.4%2.22喫煙していない82.2%0.8280.6%83.8%2.22読み方設計効果 2.22 = 単純無作為抽出の 2.2 倍の分散。設計を無視すると、標準誤差は 0.55 と小さく出る。数値は説明用の架空データ
設計効果は、標本設計によって分散がどれだけ大きくなったかを示します。

要約

IBM SPSS Complex Samples とは、SPSS Statistics Base に追加して、層化・クラスター・多段抽出の標本設計とウェイトを反映した推定と検定を行えるようにするモジュールです。

  • 使う場面:国の統計調査の二次分析、全国調査、学校・地域単位で抽出した疫学調査
  • 主な機能:計画ファイルの作成、設計効果つきの推定、CSGLM・CSLOGISTIC・CSORDINAL・CSCOXREG
  • 入手方法:Base への追加、各エディションへの同梱(構成はお見積り時にご案内)

30秒診断:Complex Samples は必要?

ご自身の研究・業務に照らして、次の3問を確かめてください。

Q1

層化・クラスター・多段抽出で集めたデータですか?

例:国の統計調査、全国の世論調査、学校単位で抽出した調査

はい標本設計を反映した推定と標準誤差を求めます。

Q2

抽出率の違いを補正するウェイトがありますか?

例:地域ごとに抽出率が違う調査

はいウェイトと設計を計画ファイルにまとめて分析します。

Q3

公的統計の個票データを二次分析しますか?

例:国民健康・栄養調査、社会生活基本調査

はい調査の設計情報に合わせた回帰やクロス表を行います。

1つでも「はい」なら、Complex Samples の追加をおすすめします。単純無作為抽出や、全数を対象にしたデータなら、Base で分析できます。

分析の流れ:全国調査で喫煙の割合を推定した例

層化2段抽出の健康調査を例に、計画ファイルの作成から推定値の報告までを示します。数値は説明用の架空データです。

  1. 設計を記録する「分析 → コンプレックス サンプル → 分析の準備」で、層(地域)、クラスター(調査地区)、ウェイトの変数を指定し、計画ファイルに保存します。
  2. 推定する「分析 → コンプレックス サンプル → 度数分布表」で計画ファイルと喫煙の変数を指定し、標準誤差・信頼区間・設計効果を選びます。
  3. 結果を読む喫煙の割合は17.8%(95%信頼区間 16.2–19.4%)、設計効果は2.22です。
  4. 分析を広げる同じ計画ファイルで、年齢・性別を調整したロジスティック回帰(CSLOGISTIC)を行い、属性ごとの差を報告します。
IBM SPSS Statistics
出力ログコンプレックス サンプル 計画の要約 度数分布表 記述統計 ロジスティック回帰 Cox 回帰コンプレックス サンプル計画の要約内容第1段の層地域(12)第1段のクラスター調査地区(300)ウェイト抽出ウェイト推定の前提復元抽出(WR)読み方設計情報は計画ファイルに保存され、どの分析でも同じ設定を使える。数値は説明用の架空データ
標本設計の内容は計画ファイルに残るので、どの分析でも同じ設定をそのまま使えます。

Base と Complex Samples の分担

単純な無作為抽出を前提にした分析は Base で行えます。標本設計を反映した推定と検定は Complex Samples です。

やりたいこと使う手法収録先
単純無作為抽出のデータを集計・検定する度数分布表・クロス集計表・回帰Base
ケースに重みを付けて集計するケースの重み付けBase
層・クラスター・ウェイトを反映して推定する度数分布表・記述統計・比率Complex Samples
標本設計を反映した回帰を行う一般線型モデル・ロジスティック回帰・順序回帰Complex Samples
標本設計を反映した生存時間解析を行うCox 回帰(CSCOXREG)Complex Samples
設計に沿って標本を抽出する標本抽出ウィザードComplex Samples

搭載している主な手法

計画の作成

Sampling・Analysis Preparation Wizard

抽出の設計や、既存データの層・クラスター・ウェイトを計画ファイルに記録します。

記述統計・クロス表

CSDESCRIPTIVES・CSTABULATE

平均・比率・クロス表を、設計効果と信頼区間つきで推定します。

回帰分析

CSGLM・CSLOGISTIC・CSORDINAL

一般線型モデル、ロジスティック回帰、順序回帰を標本設計に合わせて行います。

生存時間解析

CSCOXREG

出来事が起きるまでの時間を、標本設計を反映した Cox 回帰で分析します。

組み合わせの例

大規模調査の分析と報告でよく選ばれる組み合わせです。

調査の報告書まで作るなら

Base+Complex Samples+Custom Tables

設計を反映した推定値を求め、報告用の集計表にまとめます。

疫学の縦断研究なら

Base+Complex Samples+Advanced Statistics

設計を反映した推定と、混合モデル・生存時間解析を組み合わせて分析します。

Base・関連製品との関係

製品・モジュール主な役割Complex Samples との関係
SPSS Statistics Base単純無作為抽出を前提にした分析、ケースの重み付けComplex Samples を使うための前提です。Base に追加して使います。
SPSS Advanced Statistics混合モデル、生存時間解析研究デザインに合わせたモデルを使う場合に組み合わせます。
SPSS Custom Tables集計表の作成推定結果を報告書の表にまとめる場合に組み合わせます。

検討の進め方

よくあるご質問

単純無作為抽出のデータにも必要ですか?
単純無作為抽出や、全数を対象にしたデータなら Base で分析できます。層化・クラスター・多段抽出の設計があるデータで使います。
Base の重み付けとは何が違いますか?
Base のケースの重み付けは、推定値の重み付けには使えますが、層やクラスターによる分散の増え方は反映しません。Complex Samples では設計を反映した標準誤差と信頼区間が得られます。
どんな調査でよく使われますか?
国の統計調査の個票を使った二次分析、全国の世論調査、学校や地域を単位に抽出した疫学調査などで使われます。
アカデミック版とビジネス版で機能は違いますか?
使える分析機能は同じです。違いは価格区分と利用条件です。大学・研究機関の方にはアカデミック価格をご案内します。
ご相談・サポート担当(専門スタッフ)が対応しますIBM SPSS 正規販売店として、構成選び・お見積り・導入後のご相談まで担当します。

調査に合う構成をご提案します

調査の設計とデータの形を伺い、Complex Samples を含む過不足のない構成とお見積りをまとめます。アカデミック価格や公費でのご購入もご相談ください。

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