SPSS Statistics 追加モジュール

IBM SPSS
Advanced Statistics

生存時間解析・混合モデル・反復測定を、いつもの SPSS の操作で

再入院までの期間、介入前後を何度も測ったデータ、病院や学級ごとにまとまったデータ。研究デザインが込み入ってきたときに使う統計モデルを、メニュー操作で実行できます。

  • 生存時間解析
  • 線形混合モデル
  • GEE
  • 反復測定分散分析

Base に追加して利用Standard 以上のエディションに同梱最終更新 2026.09.28

IBM SPSS Statistics
出力ログKaplan-Meier ケース処理の要約 生存表 全体比較 生存関数Cox 回帰 方程式中の変数生存関数0.00.20.40.60.81.0060120180240300360退院からの日数累積生存率(再入院なし)プログラム参加非参加+ 打ち切り全体比較カイ 2 乗自由度有意確率Log Rank (Mantel-Cox)6.301.012プログラム参加 の異なる水準に対する生存分布の同等性の検定
Kaplan–Meier 法の出力。打ち切りを含むデータから、群ごとの生存曲線と検定結果が得られます。

要約

IBM SPSS Advanced Statistics とは、SPSS Statistics Base に追加して、生存時間解析・線形混合モデル・一般化推定方程式(GEE)・反復測定分散分析などを使えるようにするモジュールです。

  • 使う場面:追跡研究、同じ人を何度も測る縦断研究、施設や学級ごとにまとまったデータ
  • 主な手法:Kaplan–Meier 法、Cox 回帰、線形混合モデル、GEE、一般化線形モデル、GLM 反復測定
  • 入手方法:Base への追加、Standard 以上のエディション、サブスクリプションのアドオン(Custom Tables & Advanced Statistics)

30秒診断:Advanced Statistics は必要?

ご自身の研究計画に照らして、次の4問を確かめてください。

Q1

アウトカムは「ある出来事が起きるまでの時間」ですか?

例:再入院までの日数、再発までの期間、治療中断までの期間

はい打ち切りを含めて扱える Kaplan–Meier 法と Cox 回帰を使います。

Q2

同じ人を、3時点以上で測っていますか?

例:介入前・直後・3か月後、毎月の追跡調査、パネルデータ

はい時点間の相関を考慮する 反復測定分散分析、線形混合モデル、GEE を使います。

Q3

対象者が、病院・学級・施設などのまとまりに属していますか?

例:複数病院の患者、複数校の生徒、複数店舗の従業員

はいまとまりの差をランダム効果として分ける 線形混合モデルを使います。

Q4

目的変数が「回数」や「割合」ですか?

例:1年間の受診回数、転倒件数、正答率

はいポアソン回帰や負の二項回帰を含む 一般化線形モデルを使います。

1つでも「はい」なら、Advanced Statistics の追加をおすすめします。すべて「いいえ」で、平均の比較や線形回帰までで進める研究なら、Base で分析できます。

分析の流れ:退院後の再入院を追跡した例

看護研究でよくあるデザインを例に、データの入力から結論までを通して示します。数値は説明用の架空データです。

  1. データを入力する退院した高齢患者120名を12か月追跡。退院から再入院までの日数、再入院の有無、退院支援プログラムへの参加、年齢、独居かどうかを1行1名で入力します。期間内に再入院しなかった人は「打ち切り」として扱います。
  2. メニューから実行する「分析 → 生存分析 → Kaplan–Meier」で、時間に日数、状態に再入院、因子にプログラム参加を指定します。続けて「Cox 回帰」で、年齢と独居を共変量に加えます。
  3. 出力を読む群ごとの生存曲線とログランク検定(p = .012)、共変量を調整したハザード比(0.61、95%信頼区間 0.40–0.93)が出力されます。
  4. 結論を書く「年齢と独居の影響を調整しても、プログラム参加者の再入院のハザードは約4割低い」。論文の結果と考察にそのまま使える形で報告できます。
IBM SPSS Statistics
出力ログKaplan-Meier ケース処理の要約 生存表 全体比較 生存関数Cox 回帰 方程式中の変数Cox 回帰方程式中の変数95.0% CIB標準誤差Wald自由度有意確率Exp(B)下限上限プログラム参加-.494.2155.281.022.610.400.930年齢.032.0118.461.0041.0331.0111.055独居.542.2285.651.0171.7191.1002.688読み方Exp(B) がハザード比。プログラム参加の 0.610 は、年齢と独居を調整したうえで、再入院のハザードが約 4 割低いことを示す。95% 信頼区間 0.400–0.930 は 1 を含まない。数値は説明用の架空データ
Cox 回帰の出力。Exp(B) がハザード比で、95%信頼区間とあわせて論文の表に転記できます。

Base と Advanced Statistics の分担

同じ研究でも、使う手法によって収録先が変わります。Advanced Statistics が受け持つのは、時間・反復・階層を扱う分析です。

研究で扱いたいこと使う手法収録先
2群の平均を比べるt検定Base
3群以上の平均を比べる一元配置分散分析Base
同じ人を複数時点で測り、平均の変化を比べる反復測定分散分析(GLM 反復測定)Advanced
個人差や施設差をランダム効果として扱う線形混合モデル(MIXED)Advanced
反復測定の二値・回数データで、集団としての効果を推定する一般化推定方程式(GEE)Advanced
回数・割合を目的変数にして回帰する一般化線形モデル(ポアソン回帰など)Advanced
打ち切りを含む「起きるまでの時間」を群で比べるKaplan–Meier 法・ログランク検定Advanced
「起きるまでの時間」を、共変量を調整して分析するCox 回帰Advanced
二値の結果が起きる確率を予測する二項ロジスティック回帰Regression

搭載している主な手法

生存時間解析

生命表・Kaplan–Meier・Cox 回帰

出来事が起きるまでの時間をアウトカムにする手法群です。打ち切りを含むデータを扱え、時間依存の共変量を入れた Cox 回帰にも対応します。

線形混合モデル

MIXED

固定効果とランダム効果を同時に推定し、個人差や施設差をモデルに組み込みます。共分散構造も研究デザインに合わせて選べます。

一般化推定方程式

GEE

反復測定や施設内のまとまりによる相関を考慮して、集団としての平均的な効果を推定します。二値・回数の目的変数に使えます。

一般化線形モデル/一般化線形混合モデル

GENLIN・GLMM

ポアソン回帰、負の二項回帰、順序回帰、Tweedie 回帰など、正規分布を仮定しない回帰をまとめて扱います。

GLM 多変量・反復測定

GLM・分散成分

複数の従属変数をまとめて分析する多変量分散分析、同じ対象の繰り返し測定を扱う反復測定分散分析、分散成分の推定に対応します。

対数線型モデル

一般・ロジット・階層

多重クロス表の度数の構造をモデル化します。カテゴリ変数どうしの関連を、交互作用まで含めて検討できます。

手法の一覧は IBM の製品ドキュメント(SPSS Statistics Advanced Statistics)に準拠しています。

研究に合わせた組み合わせ

Advanced Statistics を中心にした、当社でよくご提案する構成です。研究計画を伺い、必要な分だけに絞ってお見積りします。

縦断研究・追跡研究の基本構成

Base+Advanced Statistics

生存時間解析、混合モデル、GEE、反復測定まで。医療・看護・心理の縦断研究は、まずこの構成で進められます。

カテゴリの結果も予測するなら

Base+Advanced+Regression

合併症の有無など二値の結果を、二項・多項ロジスティック回帰で予測する研究に。

全国調査・多段抽出のデータなら

Base+Advanced+Complex Samples

層化・クラスター抽出の設計とウェイトを反映した推定が必要な疫学調査・社会調査に。

潜在変数のモデルも扱うなら

Base+Advanced+Amos

尺度の確認的因子分析やパス解析は Amos が担当します。縦断解析と測定モデルの検証を両方行う研究室に。

Base・関連製品との関係

製品・モジュール主な役割Advanced Statistics との関係
SPSS Statistics Base記述統計、基本的な検定、線形回帰、因子分析Advanced Statistics を使うための前提です。Base に追加して使います。
SPSS Regression二項・多項ロジスティック回帰、非線型回帰カテゴリの結果の予測を受け持ちます。あわせて導入されることの多い組み合わせです。
SPSS Complex Samples複雑な標本設計のデータの推定層化・多段抽出の調査データを扱う場合に加えます。
IBM SPSS Amos共分散構造分析(SEM)、確認的因子分析潜在変数を含むモデルを受け持つ独立製品です。

検討の進め方

よくあるご質問

SPSS Statistics Base だけで代用できますか?
Base では、t検定、分散分析、線形回帰など、観測どうしが独立したデータの分析を行えます。打ち切りを含む生存時間解析、同じ人を繰り返し測った反復測定分散分析、ランダム効果を含む混合モデル、GEE は Advanced Statistics で使えるようになります。分かれ目は、上の30秒診断の4問です。
Advanced Statistics と Amos はどう使い分けますか?
Advanced Statistics は、観測された変数の回帰・生存時間・混合モデルを受け持ちます。Amos は、因子のような潜在変数を含む共分散構造分析(SEM)を受け持ちます。追跡・縦断・階層データの解析なら Advanced Statistics、尺度の確認的因子分析やパス解析なら Amos です。両方を導入する研究室も多くあります。
医療系の論文で生存時間解析をするには、何が必要ですか?
Kaplan–Meier 法、ログランク検定、生命表、Cox 回帰は、すべて Advanced Statistics に入っています。SPSS Statistics Base と Advanced Statistics の組み合わせで行えます。
どのエディションに含まれていますか?
従来型のライセンスでは、Standard・Professional・Premium の各エディションに含まれます。Base をお持ちの場合は、Advanced Statistics だけを追加することもできます。サブスクリプションでは、Custom Tables & Advanced Statistics のアドオンで追加します。学生版(Grad Pack)では Standard 以上が対象です。
アカデミック版とビジネス版で機能は違いますか?
使える分析機能は同じです。違いは価格区分と利用条件です。大学・研究機関の方にはアカデミック価格をご案内します。区分の判断が難しい場合は、ご所属を添えてお問い合わせください。
ご相談・サポート担当(専門スタッフ)が対応しますIBM SPSS 正規販売店として、構成選び・お見積り・導入後のご相談まで担当します。

研究計画に合う構成をご提案します

研究デザインとデータの形を伺い、Advanced Statistics を含む過不足のない構成とお見積りをまとめます。アカデミック価格や公費でのご購入もご相談ください。

お電話でのご相談0120-835-761受付 9:00–18:00(土日祝を除く)

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